SNMPによるプリンター監視・管理
プリンターをリモートで監視することで、印刷操作の信頼性と効率性を向上させ、コストを削減し、セキュリティを確保します
プリンター監視の目的とは?
プリンター監視とは、ネットワーク上に接続されたプリンターの稼働状況や状態、消耗品の使用状況などを継続的に監視・管理することを指します。その目的は、印刷業務の信頼性・効率性を高め、コストを抑えつつ、セキュリティを確保することです。

- 稼働停止時間の削減とIT運用効率の向上
- 監視範囲:トナー残量の低下、紙詰まり、オフライン状態、エラーなどの問題を早期に検出することで、サポート担当者が迅速に対応できます。多くの場合、ユーザーが気付く前に対処が可能です。
- メリット:業務の中断を防ぎ、プリンターの稼働率を向上させます。
- 印刷コストの可視化と管理
- 監視範囲:印刷されたページ数、印刷形式(モノクロ/カラー)、用紙サイズ、使用されたプリンターなどの情報を監視します。
- メリット:無駄な印刷を抑え、印刷コストの把握および予算管理に役立ちます。
- 消耗品の効率的な管理
- 監視範囲:トナーやインクの残量、用紙の使用状況、メンテナンスサイクルを把握し、適切なタイミングで消耗品を補充します。
- メリット:在庫過多や在庫切れを防ぎ、プリンターの常時稼働を支援します。
- レポート作成と分析による可視化
- 監視範囲:一定期間ごとにデバイスの利用状況をレポートとして出力します。
- メリット:IT管理者がデバイスの利用傾向を把握し、最適な運用判断を行うための材料となります。
- サステナビリティ目標への貢献
- 監視範囲:不要な印刷や、過剰な消耗品の使用などを特定します。
- メリット:紙やトナーの無駄を削減し、印刷データを環境配慮の取り組みに活用できます。
これらの監視活動を実現するためには、まずプリンターの基本情報を取得することが重要です。SNMPを活用することで、プリンターの状態、印刷量、消耗品の残量などのデータを効率的に収集することが可能になります。
SNMPで取得できるプリンター情報とは?
Simple Network Management Protocol(SNMP)は、プリンターを含むネットワーク上のデバイス間の通信と情報共有を可能にする、広く使用されているプロトコルです。IT管理者や印刷管理ソフトウェアにとって、SNMPはプリンターデータをリアルタイムで監視、管理、取得するために不可欠です。SNMPに対応したプリンターは、「MIB(Management Information Base)」と呼ばれる構造に基づいて、多岐にわたる情報を外部に提供します。以下は、代表的なSNMP経由で取得可能なプリンター情報です。
- デバイスの一般情報
- プリンターモデル名
- 製造元
- シリアル番号
- ファームウェアのバージョン
- ネットワークMACアドレス、など
- 状態監視・デバイスのステータス
- プリンターの状態(準備完了、オフライン、印刷中、エラー)
- エラーコードと内容(例:紙詰まり、トナー不足)
- 給紙・排紙トレイの状態、など
- 消耗品の残量
- トナーまたはインク残量(カートリッジごと)
- ドラムユニットや定着器の寿命
- 用紙トレイの残量、など
- ページ数カウント情報
- 印刷・コピー・スキャン・ファックスの総ページ数
- モノクロやカラー別印刷・コピーページ数
- 両面印刷 ・ 片面印刷ページ数
- 用紙サイズ別ページ数
上に書いたスタンダードMIBは、IETF(Internet Engineering Task Force)などの標準化団体によって定義されており、複数のメーカーに共通して適用される情報が含まれています。
一方で、MIBにはプライベートMIBと呼ばれる種類があります。プライベートMIBは、各メーカーが独自に定義したMIBであり、自社製品に固有の拡張情報や独自仕様のデータを提供するために使用されます。
たとえば、EPSONやRICOHのカウンター情報などは、標準MIBには含まれておらず、プライベートMIBを通じてのみ取得可能です。
SNMP情報を活用したプリンター監視の仕組み
もっとも従来型の方法としては、SNMPとPowerShellまたはPythonを用いて独自のスクリプトを作成し、プリンターの情報を取得する手法があります。この方法は柔軟性に優れる一方で、以下のような課題があります。
- SNMPやプログラミングに関する専門知識が必要
- スクリプトの作成・運用には多くの時間と労力がかかる
- 変更やメンテナンスに対応するための人的コストが大きい
また、ほとんどのプリンターメーカーは、各デバイスに専用のWebインターフェース(管理画面)を提供しています。これにより、管理者はブラウザを通じて簡単に状態を確認できますが、以下の制限があります。
- 確認は1台ずつ個別に行う必要がある
- 複数台の一括監視や集計には対応していない
- 複数メーカーのプリンター情報を横断的に管理できない
多機能かつ使いやすいプリンター 監視・管理ツールの導入
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、KPAX、PaperCut、CS-Dashboardなどの専用プリンター監視ツールです。これらのツールを利用することで、ネットワーク上の多数のプリンター情報を一括して簡単に収集・可視化することが可能になります。また、複数メーカーに対応しているため、各社が独自に定義したプライベートSNMP情報の取得もサポートしています。

特に「KPAX」は、単なる情報収集ツールにとどまらず、高度な自動化機能を搭載したプリンター管理ソリューションとして高く評価されています。KPAXでは以下のような自動化処理が可能です:
- 定期的なレポート作成(例:週次・月次の使用状況)
- エラーや消耗品切れの自動アラート通知
- 印刷コストの自動計算および履歴管理
- トナーやドラムなど消耗品在庫の管理
- その他、ルールベースでのカスタムアクション
これらの機能はすべてユーザーにとって分かりやすく、直感的に操作可能なインターフェースを通じて提供されており、専門知識がなくても高度な監視運用を実現できます。KPAX が貴社の業務にどのように役立つか、ぜひご覧ください。デモをご覧いただき、無料トライアルもお試しいただけます。詳しくは、こちらからお問い合わせください。