SNMPによるプリンター監視・管理

プリンターをリモートで監視することで、印刷操作の信頼性と効率性を向上させ、コストを削減し、セキュリティを確保します

プリンター監視の目的とは?

プリンター監視とは、ネットワーク上に接続されたプリンターの稼働状況や状態、消耗品の使用状況などを継続的に監視・管理することを指します。その目的は、印刷業務の信頼性・効率性を高め、コストを抑えつつ、セキュリティを確保することです。

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  1. 稼働停止時間の削減とIT運用効率の向上
    • 監視範囲:トナー残量の低下、紙詰まり、オフライン状態、エラーなどの問題を早期に検出することで、サポート担当者が迅速に対応できます。多くの場合、ユーザーが気付く前に対処が可能です。
    • メリット:業務の中断を防ぎ、プリンターの稼働率を向上させます。
  2. 印刷コストの可視化と管理
    • 監視範囲:印刷されたページ数、印刷形式(モノクロ/カラー)、用紙サイズ、使用されたプリンターなどの情報を監視します。
    • メリット:無駄な印刷を抑え、印刷コストの把握および予算管理に役立ちます。
  3. 消耗品の効率的な管理
    • 監視範囲:トナーやインクの残量、用紙の使用状況、メンテナンスサイクルを把握し、適切なタイミングで消耗品を補充します。
    • メリット:在庫過多や在庫切れを防ぎ、プリンターの常時稼働を支援します。
  4. レポート作成と分析による可視化
    • 監視範囲:一定期間ごとにデバイスの利用状況をレポートとして出力します。
    • メリット:IT管理者がデバイスの利用傾向を把握し、最適な運用判断を行うための材料となります。
  5. サステナビリティ目標への貢献
    • 監視範囲:不要な印刷や、過剰な消耗品の使用などを特定します。
    • メリット:紙やトナーの無駄を削減し、印刷データを環境配慮の取り組みに活用できます。

これらの監視活動を実現するためには、まずプリンターの基本情報を取得することが重要です。SNMPを活用することで、プリンターの状態、印刷量、消耗品の残量などのデータを効率的に収集することが可能になります。

SNMPで取得できるプリンター情報とは?

Simple Network Management Protocol(SNMP)は、プリンターを含むネットワーク上のデバイス間の通信と情報共有を可能にする、広く使用されているプロトコルです。IT管理者や印刷管理ソフトウェアにとって、SNMPはプリンターデータをリアルタイムで監視、管理、取得するために不可欠です。SNMPに対応したプリンターは、「MIB(Management Information Base)」と呼ばれる構造に基づいて、多岐にわたる情報を外部に提供します。以下は、代表的なSNMP経由で取得可能なプリンター情報です。

  1. デバイスの一般情報
    • プリンターモデル名
    • 製造元
    • シリアル番号
    • ファームウェアのバージョン
    • ネットワークMACアドレス、など
  2. 状態監視・デバイスのステータス
    • プリンターの状態(準備完了、オフライン、印刷中、エラー)
    • エラーコードと内容(例:紙詰まり、トナー不足)
    • 給紙・排紙トレイの状態、など
  3. 消耗品の残量
    • トナーまたはインク残量(カートリッジごと)
    • ドラムユニットや定着器の寿命
    • 用紙トレイの残量、など
  4. ページ数カウント情報
    • 印刷・コピー・スキャン・ファックスの総ページ数
    • モノクロやカラー別印刷・コピーページ数
    • 両面印刷 ・ 片面印刷ページ数
    • 用紙サイズ別ページ数

上に書いたスタンダードMIBは、IETF(Internet Engineering Task Force)などの標準化団体によって定義されており、複数のメーカーに共通して適用される情報が含まれています。
一方で、MIBにはプライベートMIBと呼ばれる種類があります。プライベートMIBは、各メーカーが独自に定義したMIBであり、自社製品に固有の拡張情報や独自仕様のデータを提供するために使用されます。
たとえば、EPSONRICOHのカウンター情報などは、標準MIBには含まれておらず、プライベートMIBを通じてのみ取得可能です。

SNMP情報を活用したプリンター監視の仕組み

もっとも従来型の方法としては、SNMPとPowerShellまたはPythonを用いて独自のスクリプトを作成し、プリンターの情報を取得する手法があります。この方法は柔軟性に優れる一方で、以下のような課題があります。

  • SNMPやプログラミングに関する専門知識が必要
  • スクリプトの作成・運用には多くの時間と労力がかかる
  • 変更やメンテナンスに対応するための人的コストが大きい

また、ほとんどのプリンターメーカーは、各デバイスに専用のWebインターフェース(管理画面)を提供しています。これにより、管理者はブラウザを通じて簡単に状態を確認できますが、以下の制限があります。

  • 確認は1台ずつ個別に行う必要がある
  • 複数台の一括監視や集計には対応していない
  • 複数メーカーのプリンター情報を横断的に管理できない

多機能かつ使いやすいプリンター 監視・管理ツールの導入

こうした課題を解決する手段として注目されているのが、KPAXPaperCutCS-Dashboardなどの専用プリンター監視ツールです。これらのツールを利用することで、ネットワーク上の多数のプリンター情報を一括して簡単に収集・可視化することが可能になります。また、複数メーカーに対応しているため、各社が独自に定義したプライベートSNMP情報の取得もサポートしています。

特に「KPAX」は、単なる情報収集ツールにとどまらず、高度な自動化機能を搭載したプリンター管理ソリューションとして高く評価されています。KPAXでは以下のような自動化処理が可能です:

  • 定期的なレポート作成(例:週次・月次の使用状況)
  • エラーや消耗品切れの自動アラート通知
  • 印刷コストの自動計算および履歴管理
  • トナーやドラムなど消耗品在庫の管理
  • その他、ルールベースでのカスタムアクション

これらの機能はすべてユーザーにとって分かりやすく、直感的に操作可能なインターフェースを通じて提供されており、専門知識がなくても高度な監視運用を実現できます。KPAX が貴社の業務にどのように役立つか、ぜひご覧ください。デモをご覧いただき、無料トライアルもお試しいただけます。詳しくは、こちらからお問い合わせください

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